ビタミンB1欠乏症
[2018.05.24]
ビタミンB1欠乏はアルコール中毒、偏食、重症妊娠悪阻などで起こることが多いですが、ビタミンB1は十二指腸から空腸上部で吸収されるため、胃や十二指腸等の消化管手術後でも発症することがありえます。ビタミンB1欠乏の主な症状は脚気とウェルニッケ-コルサコフ症候群です。脚気は乾性脚気では対称性の末梢神経障害(痛覚過敏や深部知覚鈍麻や痺れ等)、湿性脚気は浮腫や急性の髙拍出性心不全(脚気衝心)を呈します。ウェルニッケ脳症は急性の経過で発症する意識障害、外眼筋麻痺(複視や眼振)、歩行障害などの神経兆候を呈します。コルサコフ症候群は慢性の経過で発症する作話や失見当識、記名力障害などの精神兆候を呈します。