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家族性地中海熱

[2018.03.28]

周期性発熱症候群のひとつで診断基準の臨牀症状必須項目は12から72時間続く38℃以上の発熱を三回以上繰り返すことです。発熱時にはCRPや血清アミロイドA(SAA)などの急性期蛋白の増加を伴いますが、発熱は自然寛解し、また発熱間歇期には無症状で炎症検査所見も消失します。発症年齢は20歳以下が90%を占めます。月経やストレスが発作の誘因となります。誘因がIL-6の増加を来たすことに起因する自己免疫性疾患と解されています。発熱に伴う随伴症状は漿膜炎、滑膜炎が多く、胸膜による胸痛、腹膜炎に伴う腹痛や下痢、腹水や腹膜刺激症状を来たします。炎症の主座は漿膜側ですが十二指腸や小腸、結腸の粘膜面にも浮腫や結節状変化、地図状の浅い潰瘍や瘢痕等多彩な病変を呈するとのいくつかの報告もあります。滑膜炎は膝関節、足関節などの下肢の単関節痛を来たします。他にも心膜炎、無菌性髄膜炎、丹毒様紅班などの補助項目があります。稀な疾患のため診断が遅れることがありますが、繰り返す発熱発作とAAミロイドーシス(腎不全を招来します)の合併予防が、発熱や随伴症状の改善とともに主たる治療目標となります。

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