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胃粘膜下異所性腺管

[2018.06.01]

胃粘膜下異所性腺管は、本来胃粘膜固有層にあるべき胃腺組織がのう胞状に拡張して、粘膜下層に存在する状態です。局所的に存在する場合と、びまん性に散在する状態もあります。成因として、胃粘膜の持続する炎症により、胃粘膜のびらんと再生が繰り返される過程で胃腺管組織が粘膜筋板の欠損部から粘膜下層に入り込んだと考えられています。多くはピロリ菌感染に起因する慢性炎症に惹起されるとされています。B-2再建幽門側胃切除の術後胃吻合部に時に発生するgastritis cystica profunnda も同様の機序で発生すると考えられています。胃粘膜下異所性腺管がびまん性に散在する胃には高頻度に胃癌が発生することが知られています。胃癌のハイリスク粘膜としてより詳細な胃粘膜観察を要すると云われていますが、異所性胃腺の癌化は稀とされています。胃粘膜下異所性腺管の診断にも超音波内視鏡検査は有用で、粘膜下層にのう胞状病変が特徴的です。

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