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食道異所性胃粘膜島

[2018.04.19]

異所性胃粘膜は食道や十二指腸、メッケル憩室内にみられます。食道の異所性胃粘膜は上部食道が高頻度で、胃カメラ検査の10%前後に認めると報告されていることが多いです。食道入口部の島状の胃粘膜は食道異所性胃粘膜島と称されています。胎生期に円柱上皮に覆われていた食道粘膜が中部食道から上下方向に扁平上皮に置換されていく際に、何らかの機序で円柱上皮が取り残されたものと考えられています。幽門腺粘膜、胃底腺粘膜、それらが混在した粘膜など種々の組織型を認めます。多くは無症状で疾病との関連の報告も稀ですが、嚥下時痛や咽頭違和感などの症状が異所性胃粘膜内の壁細胞からの酸分泌の影響と解される場合もあります。内視鏡的には異所性胃粘膜は上部食道や食道胃接合部に多く認め、胃と同様の発赤面で境界明瞭で周囲に白色の縁取りが特徴的です。類円形、楕円形、その他さまざまな形態があります。食道異所性胃粘膜島は左右対に認めることが多いです。拡大観察では胃と同様の縞状や類円形の腺上皮の表面模様が認められます。食道扁平上皮がんでは腺上皮は観察されず扁平上皮下乳頭内血管(IPCL)の異常が確認されますので、異所性胃粘膜と鑑別が可能です。また食道異所性胃粘膜島は左右対に認めることが多いことも食道扁平上皮がんとの鑑別点となります。

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