メニュー

ピロリ菌の診断・治療について

ピロリ菌について

kensa10a

ピロリ菌は、1983年に発見され、慢性胃炎の原因となってさまざまな病患の発生に深く関与していることが明らかとなり、2006年にノーベル賞の対象となりました。

ピロリ菌感染が慢性胃炎を引き起こして胃粘膜萎縮が進行することは、今ではよく知られた事実です。内視鏡観察や疫学的研究により慢性炎症や萎縮がある場合は、胃がん発症リスクが5から10倍に上昇することが報告されています。日本ではおおよそ半数の人がピロリ菌に感染しているとされています。一年に約10万人が胃がんに罹患し、約5万人が胃がんで亡くなっています。除菌治療による胃がん発症の正確な抑制効果はまだよくわかっていませんが、胃がん内視鏡治療後の除菌治療の検討では胃がん発症を1/3に減少させることが示されています。

当院でもガイドラインにより、胃カメラ検査でピロリ菌感染症が疑われる方には、希望される場合は感染診断、除菌治療および除菌判定をお勧めしています。

kensa10b

当院の治療方針

治療方法は、ペニシリンを含む二種類の抗生剤と制酸剤の一週間の内服です。除菌成功率は約8割です。副作用は下痢、軟便、口内炎が2割程度(予防的に整腸剤を併用します)、皮疹、肝障害、出血性腸炎等は比較的低率です。

除菌治療が成功すると胃炎が改善してそれまで抑制されていた胃酸分泌や食欲が回復して、逆流性食道炎や体重増加をきたすことがあることも問題点です。実際除菌後にむねやけで制酸剤内服が必要となる人があります。

除菌後の再感染もありうるとされています。一回の治療で除菌不成功の場合は再除菌(二次除菌)治療で現在のところほぼ除菌が達成されるとされていますが、今後耐性菌にて除菌不成功が増加することも懸念されています。除菌効果は治療薬の影響を排除するために内服終了二ヶ月以上後に判定しますが、重要なことは除菌治療が成功しても胃がん発症が減っても全くなくなるわけではないということです。治療時にわからなかった小さな胃がんがその後増大してくることも考えられますので、治療後も引き続き内視鏡検査等胃癌検診で早期発見に努めることが必要です。(治療が成功すると胃炎所見が改善して胃がんの早期発見が容易となる効果も期待されています)

治療方法について

除菌薬(ボノサップ、ボノピオン等)を7日間飲み忘れのないように、服用します。下痢や皮疹などの副作用が現れることがあります。皮疹がでたり、下痢の程度がひどい時には除菌薬の内服を一旦中止して当院を受診して下さい。

※ 除菌薬セットの中には、制酸剤が含まれていますので、服用期間中は他の制酸剤は中止してください。
※ 再除菌(二次除菌)される方は、服用期間中のアルコール摂取は避けてください(アンタビュース効果)。

2ヶ月以上経過後、除菌判定のため尿素呼気試験(UBT)を受けて下さい。PPIを内服中の方は結果が偽陰性となり易いので、他の判定検査を受けていただきます。UBTを受ける日は、午前診なら朝食を、午後診なら昼食を摂らずに絶飲食でお越し下さい。当日は受付で 除菌判定の検査で来院した旨を伝えてください。検査の結果は当日お聞きいただくことができます。

検査の所要時間は20分です。その後、受付の順番通りに診察室にお呼びしますので結果をお聞きになって下さい。

ピロリ菌の検査の流れ

kensa01

尿素呼気試験法

ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素により、胃の中の尿素を分解して、アンモニアと二酸化炭素を生成します。尿素の分解により、アンモニアと同時に生じた二酸化炭素は速やかに吸収され、血液から肺に移行し、呼気中に炭酸ガスとして排泄されます。この試験法は、この原理を利用して、検査薬(13C-尿素)を患者さんに服用して頂きます。ピロリ菌に感染している場合では、尿素が分解されるため呼気に13CO2が多く検出されることになります。一方ピロリ菌に感染していない場合では、尿素が分解されないため13CO2の呼気排泄はほとんど起こりません。

kensa02

炭素元素(13C)は生体内にも存在します。人体には影響を与えません。

kensa03

炭素には4種類の同位元素が存在します。自然界に存在する炭素はほとんどが12Cでその存在比率は98.9%で、放射活性を有しない安定同位元素です。次に存在比が高い同位元素が13Cで、約1.1%の存在比率です。13Cも12Cと同様、放射活性を持たない安定同位元素です。ヒトに例えると、体重60kgの成人の炭素量は約20%(12kg)で、13Cはその約1.1%(132g)といわれています。

尿素呼気試験の呼気(吐く息)採取方法

呼気の採取の所要時間は20分です。錠剤を服用する前後で呼気を吹くだけの検査のため,痛い思いや体に負担をかける必要はございません。

採取した呼気(吐く息)の測定方法

kensa09

当院では,採取した呼気中の13CO2を分析する赤外分光分析装置を設置しておりますので,すぐに検査結果を知ることができます。

HOME

スマートフォンに対応しています。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME