苦痛の少ない胃カメラ検査
(経鼻内視鏡・経口胃カメラ)
胃カメラ(経鼻内視鏡)について
胸やけやつかえ感、食欲不振、体重減少、上腹部痛や黒色便等の症状のある方、症状がなくても慢性胃炎や胃十二指腸潰瘍既往のある方、家系に胃癌のある方、酒タバコの多い方に、逆流性食道炎・潰瘍や腫瘍性病変の診断のため内視鏡検査をお勧めしています。
当院では鼻から挿入の内視鏡をお勧めしていますが、鼻腔が狭く内視鏡を挿入できない時があります。ご希望されれば口からの挿入に変更します。代替可能な検査としてⅩ線検査(バリウムを飲む、当院は設備がないので検査可能な施設を紹介したします)がありますが、小さく平坦な病変は存在や質的診断が困難で、生検(顕微鏡で組織検査するために鉗子で粘膜の一部を採取する)の可能な内視鏡検査が必要となる場合があります。病変部位等によっては詳細観察や生検の困難性から改めて精密検査用の口からの内視鏡での再検査を要することもあります。また慢性胃炎やバレット上皮等腫瘍発生のリスクのある病変を認めれば逐年の胃カメラ検診をお勧めしています。
画像強調観察で胃カメラ検査しております。
画像強調観察で胃カメラ検査しております。
検査手順について
- 検査前日の夕食は夜9時までに済ませ、検査までは食事をとらないでください。なお検査当日の朝7時までは水・お茶は飲んでもかまいません。
- 病気で治療中の方は、内服薬等があれば医師にお尋ねください。
- 検査当日はゆったりとした服装でお越しください。
- 胃カメラ中、検査で服装の襟元が汚れる場合がありますので、タオルを一枚お持ちください。
- 義歯のある方はお申し出ください。
- 検査時、口紅等化粧は落としてください。
- カメラの結果は当日医師より説明を受けていただきます。なお生検の検査結果は、一週間以降となりますので必ず診察を受けて結果をお聞きください。
- ご不明な点があればご連絡ください。予約をキャンセルあるいは日程の変更をご希望の時も電話にてご連絡ください。
- 外来の患者様の状況により、定刻通り検査が開始できない場合があります。また検査は十分注意して行いますが予期せぬ合併症が起こりえますので 検査後は時間に余裕をお持ち下さい。
検査前の処置について
- 入室後リラックスしてお待ち下さい。
- 胃内の観察がしやすいように泡を取り除く薬剤の入った紙コップの液体を飲んでいただきます。
- 鼻粘膜の麻酔をします。ゼリー状の表面麻酔剤を左右どちらかの(空気が通りやすい腔の広いと思われる側)鼻腔に通します。麻酔剤が粘膜に浸潤して粘膜表面局所の痛みを抑えます。のどの痛みや反射を抑えるため、のどにも表面麻酔剤をスプレーします。
- のどに溜まった麻酔剤は飲んでいただいても、むせるようでしたら吐いていただいても結構です。麻酔の効果が悪ければ、スプレーの麻酔を追加します。
- 鼻腔が狭くて胃カメラ挿入が困難の場合は、反対側の鼻腔に同様の手順で麻酔を行い挿入を試みますが、困難の場合は希望されましたら口から挿入させていただきます。検査後は鼻や口腔内、のどがしびれて不快感がありますが、一時間程度で麻酔は切れます。むせますので、がらがらのうがいは控えて下さい。
- 内視鏡室のベッドに左を下にして寝ていただきます。胃カメラを挿入していきますが食道の入り口は胃カメラで塞がりますので、唾液を飲むと気管に入りがちです。むせて咳き込みは大変苦しいので胃カメラ挿入後は可及的に口腔内の唾液を出してください。口元に盆を備えております。のまないでおこうと思っても唾液は無意識に反射的に飲んでしまいます。口腔内を空になるように是非唾液を出し続けてください。
- 普通は胃はしぼんでいますので、検査中は胃粘膜観察のために送気にて胃を膨らませます。可能でしたらゲップは我慢してください。おなかが張って苦しいときは是非お申し出下さい。鼻からの検査の場合は普通にしゃべっていただけます。観察のために入れたガスを楽になるまで吸引いたします(げっぷはガスが抜けすぎて再度の送気で検査時間が長引きがちです、また検査終了時も可及的に胃内を吸引します)。
- 検査後も1時間程度のどの麻酔が効いていますので、ガラガラのうがいは控えてください。
- ご不明な点があれば何なりとご質問くださいませ。
検査に関する注意点
検査は十分注意して行いますが予期せぬ合併症が起こりえます。極稀に麻酔薬によるアレルギー(ショック、呼吸困難、血圧低下等)や内視鏡挿入の際の粘膜損傷や、生検の検査中や後に鼻、のど、食道、胃、十二指腸などに治療が必要な出血や穿孔(壁に穴があく)の報告事例があります。出血は通常自然にとまりますが稀には持続的にまたは再発して相当量出血することがあります。病状により内視鏡や耳鼻科処置、入院にて輸血や手術が必要となることがあり得ます。
万が一、合併症が生じた場合(最近の全国調査で大きな合併症の頻度は0.007%、当院でもまったくの0%は不可避かと考えられます)は最善の処置、治療のための対応をいたします。
上記合併症対策のために、生検をした場合は、検査当日の自転車など腹圧のかかる運動や飲酒などの刺激物摂取はおやめ下さい。 又、下記の方は事前にお申し出下さい。
I ;歯科治療や局所麻酔でアレルギー症状や気分が悪くなった方
II ;心臓病、緑内障、前立腺肥大、気管支喘息、その他の内蔵疾患
III ;抗血小板薬や抗凝固剤(バイアスピリン・エフィエント・プラビックス・ワーファリン・エリキュース・イグザレルト・リクシアナなど)服用中の方
検査料金について
保険診療(3 割負担)の場合は、 5,000 円~ 10,000 円程度です。
検査の申込方法について
内視鏡検査をご希望される方は予約が必要となりますので、一度受診していただき、ご相談ください。
ご不明な点は、お電話(072-687-7881)でお問い合わせください。