腹膜垂炎(脂肪垂炎) [2018.03.24] 腹膜垂炎は結腸ヒモに接して漿膜に囲まれた脂肪垂が捻れることで虚血、炎症を生じる病態です。脂肪垂炎、結腸垂炎とも称されています。肥満男性に多いと云われています。腹痛で発症しますが限局的な圧痛で腹膜刺激症状や吐き気などの消化器症状が乏しく、重症感が少なく殆どが自然治癒します。上記の特徴が虫垂炎や憩室炎との鑑別に有用です。エコーでは壁肥厚を認めない結腸に接して中心低エコー、周囲髙エコーの卵形腫瘤の所見を呈します。CTでは嚢胞状の腫瘤の中心に点状の濃度の高い構造が特徴とされています。捻転した腹膜垂とその中央の静脈内血栓と解されています。痛みに対する鎮痛薬内服の対症療法で臨床的には問題ありません。 前の記事へ次の記事へ