食道乳頭腫とは
[2017.11.29]
食道重層扁平上皮由来の良性腫瘍で、血管を有する間質と重層扁平上皮の乳頭状増殖からなります。大きさは殆どが1cm以下で下部食道に多いが、上部や中部食道にも見つかります。病因として逆流性食道炎の合併が多いことから、食道炎に関係していると考えられています。食道乳頭腫による症状はなく、内視鏡検査時に偶然発見されることが殆どです。若年者から高齢者まで幅広い年齢層で見られます。性差も認めません。内視鏡所見は多くは白色調の小隆起性病変で、近接で観察すると粒状、房状の隆起が集簇する構造を認めます。発赤調の桑実状を呈する病変もあります。乳頭腫の癌化を示唆する報告は非常に稀で基本的には治療の必要性はありません。