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胃粘膜下腫瘍

[2018.05.21]

粘膜下腫瘍は消化管内視鏡用語集によれば「粘膜より深部に存在する壁内病変により粘膜が挙上された隆起の総称」で、必ずしも腫瘍性病変を示す用語ではなく異所性に迷入した膵組織である迷入膵や炎症性病変である炎症性繊維状ポリープ、上皮性のNET(カルチノイド等)なども含まれます。GISTは胃腸の筋層に存在するカハールの介在細胞という胃腸の運動に重要な機能を持つ細胞への分化を示す腫瘍で発生場所は胃が約65%、小腸が約25%、大腸が5%前後と知られています。腫瘍内に出血、壊死、のう胞変性をきたせばCTでは低吸収域として、超音波内視鏡所見では筋層を主座とする不均一な低から等エコー腫瘍として描出されます。管腔内より壁外に発育することが多く、また2cm以上に増大すると腫瘍の粘膜頂部に潰瘍が出現するようになります。神経鞘腫は消化管の間葉系腫瘍の5%前後を占め胃に発生することが最も多いです(70%前後)。固有筋層内の神経叢から発生するとされています。CTでは境界明瞭な卵形の管内及び管外発育を示す粘膜下腫瘍として描出されます。腫瘍内に出血、壊死、のう胞変性をきたさないことがGISTとの鑑別点です。造影パターンは均一で、平衡相へ漸増型の造影効果を認めます。超音波内視鏡所見は筋層由来の低エコー腫瘤として描出されます。グロームス腫瘍は毛細血管の動静脈吻合叢の神経筋装置に由来すると考えられています。消化管では胃の中でも前提部に好発し、女性に多いです。CTでは小さな石灰化を認めることがあります。造影検査では早期から腫瘍全体が血管と同程度に強く濃染されます。超音波内視鏡では粘膜下層から筋層にかけて境界明瞭な不均一な低から髙エコー腫瘍として描出されます。迷入膵は頂部に開口部を認めることが多く、前庭部に好発して、CTでは境界が不明瞭、超音波内視鏡では粘膜下層を主座とする内部にのう胞状や導管構造、点上髙エコーを含む低エコー腫瘤として描出されます。胃体部に認めるものは筋層に浸潤して前庭部のものよりも大きなものが多いです。胃の炎症性繊維状ポリープは前庭部に好発する粘膜深層ないし粘膜筋板周囲の、繊維芽細胞や繊維細胞の反応性の増殖を示す腫瘤で、好酸球やリンパ球などの炎症細胞浸潤を伴います。超音波内視鏡では粘膜から粘膜下層にかけて境界不明瞭は均一な低エコー腫瘤として描出されます。

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