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黄色肉芽腫性胆嚢炎とは

[2017.11.28]

胆嚢壁と他の消化管の壁構造との違いは胆嚢壁には粘膜筋板が無いことと、Rokitansky-Aschoff sinus(RAS)が有ることです。RASはオーストリアとドイツの病理学者の名前が付けられた構造物で、粘膜がポケット状に陥入して筋層や漿膜下に達したもので、胆石等で胆嚢内圧が高まった状態が持続することによって次第に発達していくと考えられています。肉芽腫形成は、結石などで胆嚢内圧の上昇とそれに付随する何らかの原因によるRASの上皮損傷で胆汁が胆のう壁間質に染み出して組織反応が生じた結果と考えられています。胆汁中の脂質を貪食した多くの組織球(泡沫組織球)が局所に堆積して異物型多核巨細胞も出現して肉芽腫を形成します。コレステロールを含む胆汁中の脂質の色調を反映して黄色に見えます。そして炎症の消退や繊維化などを繰り返して次第に胆のう壁は黄白調に肥厚すると考えられています。また周囲組織への病変の波及が不整かつ比較的顕著に認められることが多いです。病変の進行、消退と繊維化が慢性に経過することが周囲との境界を不規則にする原因と思われます。

 

 

 

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