バレット食道
[2018.02.05]
食道胃接合部は内視鏡的には、胃粘膜の縦走襞と食道側は棚状血管を、各々の上端、下端の指標にします。組織学的には食道下部の粘膜固有層の径100μm以上の粘膜に平行して縦走する静脈を、食道下部にのみ認められる血管として指標にします。バレット食道とは食道胃接合部の食道側が胃から連続する粘膜で覆われた状態、食道の扁平上皮が胃から連続した円柱上皮で置換された状態のことです。組織学的には①円柱上皮内に扁平上皮が島状に残存していること(扁平上皮島)、②円柱上皮粘膜層に食道腺の導管を認めるか粘膜下層に食道腺を認める、③粘膜固有層に粘膜筋板の二重構造を認める、④粘膜固有層に棚状血管を認めることをバレット食道の判定に指標としています。バレット食道にみられる腺上皮には胃底腺型上皮、噴門腺型上皮、不完全型腸上皮化生に類似した上皮があります。同部に発生する腺癌の特徴として扁平上皮下を比較的広く進展しやすいとが挙げられています。