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萎縮性胃炎

[2018.02.10]

胃にピロリ菌が感染すると胃粘膜の表層部にある腺窩上皮細胞に好中球を主とする炎症細胞が浸潤して急性胃炎が生じます。感染後経過で炎症が持続しますとリンパ球や形質細胞が浸潤する慢性炎症所見を認めるようになります。胃粘膜表層部ではピロリ菌感染に対する直接的な反応で好中球浸潤も持続します。この状態が慢性活動性胃炎です。粘膜の障害が持続すると胃粘膜か萎縮します。萎縮とは細胞の数が減少して臓器や組織が小さくなることです。胃粘膜の場合は胃粘膜腺管の密度が低下して、粘膜の高さが低くなります。慢性萎縮性胃炎では同時に腸上皮化生と幽門腺化生も出現します。腸上皮化生は完全型と不完全型に分類されます。完全型腸上皮化生は腺管全体が小腸型の腺管(吸収上皮細胞と杯細胞、パネート細胞)に置換されます。不完全型腸上皮化生は胃腸混合型腸上皮化生とも云われ、胃固有の上皮(腺窩上皮細胞や幽門腺細胞)に腸型の細胞が混在します。幽門腺化生とは胃底腺粘膜が障害されて本来の胃底腺腺管の細胞が(主細胞や壁細胞)が頚部粘液腺細胞(副細胞)に置換される所見です。頚部粘液腺過形成とも云われます。

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