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アメーバ性大腸炎

[2017.12.01]

アメーバ原虫感染症で嚢子の経口感染症です。嚢子は小腸で脱嚢して栄養型となり、盲腸で成熟、分裂、増殖します。便とともにS状結腸、直腸で停滞します。ですから病変分布は盲腸と直腸に多いです。栄養型は偽足を出して組織を融解、粘膜内に侵入、壊死して、びらん、不整、多彩な形態の潰瘍を形成します。周囲に紅うん、出血、隆起を伴うことも多いですが、明らかな縦走、輪状傾向はありません。介在粘膜に異常を認めないことが特徴とされています。診断は潰瘍底の白苔や粘液を採取して赤血球を貪食した栄養型を顕微鏡で確認するか、病理組織でPAS染色を追加して壊死、脱落した粘膜表層部や粘液、滲出物のなかに栄養型を確認します。全数把握対象の5類感染症に指定されていますので、診断後7日以内に最寄の保健所長を経由して都道府県知事に報告します。第一選択薬剤はフラジール内服ですが重症例では静注法も保健収載されています。嚢子には効果が乏しいので感染を繰り返す場合はパロモマイシン内服します。

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