メニュー

MALTリンパ腫とは

[2017.11.23]

本来胃粘膜にはリンパ組織はありません。胃粘膜にあるリンパ装置、胚中心を有したリンパ濾胞のことをMALTといいます。刺激に対する免疫反応として新たにリンパ組織が形成されたと考えられています。その原因の主なものがピロリ菌です。胃粘膜の細胞は殺菌作用のある胃酸を分泌していますので、通常の細菌などではリンパ組織を作って戦うほどの必要がありません。胃酸に抵抗性で胃粘膜に住み着いたピロリ菌に対して免疫反応としてリンパ濾胞を形成します。反応性に形成されたリンパ濾胞の辺縁帯から濾胞間領域にかけて存在する節外性B細胞への分化を示す腫瘍をMALTリンパ腫といいます。LEL所見を呈することもあります。形質細胞への分化を示す場合は(約30%)細胞の軽鎖拘束性のモノクロナリティーも認めます。この概念は1983年にロンドン大学の病理学者P.Isacson教授によって提唱されました。MALTリンパ腫はピロリ菌の除菌にて治癒するものが多い一方で、MALTリンパ腫は胚中心への浸潤増殖を示すものがあります。そこで大細胞性リンパ腫へ形質転換するものがあります。こうなると除菌治療ではMALTリンパ腫は治りません。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME