腸管障害による低蛋白血症
[2018.01.20]
蛋白漏出性胃腸症と、吸収不良症候群が主な原因です。
蛋白漏出性胃腸症はアルブミンの消化管への漏出が原因です。主な機序は消化管粘膜障害(炎症やびらん、潰瘍、腫瘍)とリンパ管内圧上昇(リンパ管の閉塞)です。主な鑑別疾患は感染症(細菌、結核、サイトメガロウイルス、赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫、糞線虫、クリプトスポリジウム、ディフィシル菌、ホイップル病等)、炎症(小腸潰瘍、直腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、コラーゲン大腸炎、リンパ球性大腸炎、放射線大腸炎等)、自己免疫やアレルギー性(SLE、ベーチェット病、紫斑病、好酸球性胃腸炎等)、その他(アミロイドーシスや腫瘍等)です。
一方、吸収不良症候群の主な原因は消化不良(乳糖不耐症、慢性膵炎、膵切除等)、腸管粘膜障害(アミロイドーシス、クローン病、セリアック病等)、その他(糖尿病や甲状腺機能亢進症等)です。